エースオブカンパニー
株式会社PITTAN
▼生涯ポジティブに生きられる世界へ
代表取締役CEO辻本 和也
株式会社PITTAN
微量生体成分分析技術の開発、
及び超小型かつ超高速分析装置を
用いたヘルスケアサービスの展開
及び超小型かつ超高速分析装置を
用いたヘルスケアサービスの展開


事業内容と事業の強みを教えてください。
弊社は体の状態を分析する技術開発を行っています。これを使って、ビューティー&フィットネス関連の事業者様向けにサービスを提供しています。具体的なサービス名は「Nutrifull」といい、「Pitagoras」という18cm四方の小さなマシンを使います。このマシンの特徴は、極微量の汗だけで体内の状態がわかる点です。人間は何もしていなくても1日に約600mlの水分を皮膚から排出しています。その汗を、注射後に貼るような小さなパッチを貼るだけででたった3分間肌に貼るだけで採取できます。
採取した汗をPitagorasにセットしてスタートボタンを押すと、約10分で結果がタブレットに表示されます。肌や筋肉の状態、肌の改善能力、ニキビのリスク、部位ごとの筋肉のつきやすさ、脂肪のつきやすさなど、お客様の内側の細胞レベルの状態が可視化されます。表面的な情報だけでなく、根本的な改善に繋がるデータを提供できるのが私たちの強みです。
この分析結果をもとに、提携しているエステサロンやフィットネスクラブ、調剤薬局、クリニックなどの事業者様は、お客様に合わせた食事やサプリメント、スキンケア、運動メニューなどを提案することができ、顧客の納得感を高め、継続的な購入や顧客接点の創出に貢献しています。2025年6月11日からは百貨店のスキンケアセレクトショップにも導入されます。

起業までの経緯を教えてください。
私はもともと京都大学でウェアラブルデバイスのセンサーに関する研究をしていました。その後、半導体メーカーでエンジニアや研究者をしていましたが、日本の現場でイノベーションが起きにくいことに違和感を覚えました。
コンサルティング業界やベンチャーキャピタル業界を経て、大企業からのカーブアウト(大企業人材の起業)を応援するプロジェクトで共同創業者と出会いました。
そこで、人間の状態を情報として取得する分野が思ったほど進んでいないことに疑問を感じ、技術はあるはずなのに実用化されていないだけではないかという思いから、自分たちで会社を作ることを決意しました。
仕事を行う上で大切にしている事を教えてください。
一人ひとりの「パッション」を非常に重要視しています。私自身、かつて自分のやりたいことができず、100%の能力を出せていない時期がありました。パッションがあればスキルを伸ばせますし、運すらも引き寄せられると感じています。
やらされ仕事ではパッションは生まれません。メンバーの原点にある「思い」を最大限引き出すことで、彼らが人生のミッションと仕事が一部合致し、最高のパフォーマンスを発揮できると信じています。


企業のビジョンを教えてください。
弊社のビジョンは「Lifelong Positivity」です。人生100年時代と言われる今、最後までポジティブに生きられる社会にしたいと考えています。疲労やストレス、老化など、病名がつかない不調も多くありますが、病院や薬だけに頼るのではなく、セルフケアで予防医療を進めていくことが重要だと考えています。

最終的な目標を教えてください。
日本だけでなく、成長著しい東南アジアやアジア太平洋地域を重点的に開拓し、5年以内の上場を目指しています。そして、その先の未来として、AIが進化する中で不足する「ウェットな情報」(人間でいう体液、農業でいう植物の水分など)を最も効率的に取得できるプラットフォーマーになりたいと考えています。日常生活のあらゆる場所でウェットな情報を取得できるような仕組みを構築することを目指しています。
今後個人としてチャレンジしたい事を教えてください。
まずは、今描いているこの未来を追いかけ続けていきたいです。その上で世界中の最先端の研究者とコラボレーションしていきたいと思っており、私自身も改めて生物学系のドクターの学位を取得したいと考えています。
もう一つはエンジェル投資です。私が創業時に助けてもらったように、スタートアップのチャレンジの手助けがしたいです。
その人の事業内容を聞かずに「目」だけを見て投資をするようなファンドを、将来共同創業者と2人で作ることを考えています。
