株式会社sopo

身近な場所から、
地球まで丁寧に磨く
代表取締役淵上 留美
株式会社sopo
グリストラップ吸引清掃
産業廃棄物収集運搬業

Q事業内容と強みを教えてください。

今の事業は、グリストラップの吸引清掃です。グリストラップというのは飲食店や調理施設にある、油と水を分離するための升のようなもので、設置が義務づけられている設備です。その一番下に溜まる食品汚泥は、実は産業廃棄物にあたります。ですが、ほとんどの方がご自身でその汚泥をすくってゴミに混ぜて捨ててしまっているのが実情で、これは知らずにやってしまうと不法投棄になってしまいます。
私たちはバキュームカーを購入し、このグリストラップの中身をすべて吸い上げています。吸い上げた汚泥はゴミになるのではなく、しかるべき場所で最終処分され、脱水されて堆肥に変わります。堆肥は野菜の土になり、その野菜がまた飲食店や病院、介護施設などで調理されて食品になり、それを私たちが汲み上げてまたしかるべき場所へ捨てる。そうすることで、きちんとリサイクルが成り立つのです。「捨てたら犯罪になる」ということを伝えたいのではなく、「ゴミとして捨てればただのゴミになるけれど、リサイクルすればちゃんと資源になる」ということを知ってほしいという思いで、女性だけでこの会社をやっています。地球を守りたいという思いから、私たちは自分たちのことを「地球防衛軍」と呼んでいます。
強みは大きく2つあります。一つは、バキュームカーで丸ごと吸い上げるので、詰まる心配がまったくないこと。掃除業者の中には水で流して排水管に流してしまうところもあるのですが、それでは詰まった時に大変なことになります。もう一つは、産業廃棄物収集運搬業を取得し、最終処分場との契約もしているため、マニフェストを発行できることです。自分のゴミがどこまで運ばれ、どう処分されたかをしっかり確認していただけるので、ホームページにその取り組みを掲載してくださるお客様もいらっしゃいます。
対象になるのは、油や粉を扱う飲食店が中心で、焼肉店やラーメン店、ケーキ屋さん、パン屋さん、和菓子屋さん、食品工場、ホテルや百貨店、幼稚園など、調理をされているところはすべて対象になります。グリストラップの中の食品汚泥は食中毒の原因にもなるため、私たちは蓋を開けてから閉めるまで一時間以内と決めて作業をしています。開けている時間が短いほど、食中毒のリスクは下がります。調理室内にグリストラップがある場合は、調理をする方がグリストラップに触らないという条例も少しずつ出てきているので、専門業者に任せていただければと思っています。


Q起業までの経緯を教えてください。

今からちょうど11年ほど前、私はただの主婦でした。時給790円でパートをしていたくらいです。ちょうどその頃、主人と娘のためにダイエットの勉強を始めていたのですが、その最中に主人がくも膜下出血で40歳という若さで急に亡くなってしまいました。頭がおかしくなってしまうくらいの出来事で、死ぬより怖いものはないと思うようになり、子供部屋の六畳間で自宅サロンとしてダイエットサロンを始めました。
3年後くらいに、BNIのクランカチャプターという交流会に入り、今のビジネスパートナーと出会いました。最初は健康を守るためのダイエットサポートをしていたのですが、途中から「私もあなたのようになりたい」というダイエットカウンセラーが次々と生まれ、女性の自立支援というテーマが自分の中に芽生えていきました。自分でやりたいことで稼げる女性を増やしたい、女性が自立していれば夫婦関係もうまくいくのではないか、という思いで、健康と経済の両面から女性のコミュニティを作る活動を続けていました。
ですが、8年ほど経ったところで娘の子育てが一段落し、糸が切れたようになってしまい、パートに出ようかと考え始めた時期がありました。そんな時、お酒好きの私を可愛がってくれていた祇園のママのお店を手伝いに行ったときに、「この子ダイエットの先生やねんで」とお客様を紹介してもらったのがきっかけで、私もそんなお店を作りたいと、今の会社の役員でもあるビジネスパートナーと一緒に二年前に始めました。彼女はずっと飲食一筋でやってきた人で、2人で毎日店長が変わる業務委託型の飲食店をフランチャイズ化しようと構想していたのですが、飲食店は想像以上に大変で、時間も取られてしまいました。
そんな折、飲食店を長くやっていたビジネスパートナーが、グリストラップの清掃にずっと困っていたことから、バキューム車で汚泥を吸い上げる事業があるらしいという話にたどり着きました。九州ではメジャーだけれど関西にはない、ということで実際に九州まで話を聞きに行きました。もう一人のパートナーはずっと頭の中で構想を練っていたタイプで、ちゃんと組み立てられる力がある。そこに私の行動力が加わって、去年、私が社長となって会社を立ち上げました。


Q企業理念の決め手を教えてください。

先日、経営塾のようなところで徹底的にワークをして、理念を言葉にしました。「身近な場所から地球まで丁寧に磨く」、そして「思いやり溢れる清潔な社会を作り、人と食と環境をつなぐパイプ役として、未来の子供たちへ美しい地球のバトンを渡し続けます」という理念です。
言葉自体は最近作ったものですが、私たちが常々話していたことがそのまま言葉になったという感覚です。男性にはなくて私たちにあるものは、丁寧さや明るさ、クリーンであることだと思っています。ゴミの行方をうやむやにせず、きちんとお金を払って廃棄をする、そのすべてをクリーンにしていくこと。そして、女性だから、母親だからこそ、自分たちだけがやればいいのではなく、この小さな積み重ねが地球を綺麗にしていくのだという思いを広げていきたいと本気で思っています。また、排出事業者さんと処理業者さんをつなぐ収集運搬業という立ち位置そのものが、パイプ役という言葉にも重なっています。


Q仕事を行う上で大切にしていることを教えてください。

本当に大切にしているのは、正直であることです。人に言えないことはしないと決めてやっています。正直なので、時には嫌なことも言ってしまいますし、いい顔ができずに嫌われることもあります。ですが、今回の仕事はその正直さが生きる仕事だと思っています。マニフェストを発行し、しかるべき罰則を受けないよう隠しごとをしない、そういう飲食店であってほしいという思いで、とにかく正直であること、見栄を張らないことを大切にしています。
正直になれたきっかけは、今のビジネスパートナーと出会ったBNIでの経験です。当時の私は羽振りが良く華やかに見えていたと思います。が、経営を学ばずに勢いだけで走っていたため、当たり前に資金は底をつきます。初めて人に「お金がしんどい」と打ち明けました。その時、パートナーが「お金では死なへんし、どうにでもなるから。ただ税金だけは払え」と言ってくれたんです。その一言で、お金のことを正直に話せるようになりました。稼げない自分を認めるのではなく「稼ぎ続ける女性になりたい」と、50代になった今でも言い続けています。


Q今までで一番辛かったことを教えてください。

今が一番しんどいかもしれません。人生の中で離婚も経験し、主人を亡くすという経験もしてきましたが、一番強く思うのは「不幸とはお金がないことだ」ということです。離婚自体はそれほど悲しいことではなく、むしろ女性は離婚をきっかけに再生することも多いと思うのですが、そこにお金がないという要素が加わると、途端に不幸な話になってしまいます。主人が急に亡くなった時も、傍から見ればかわいそうな境遇だったと思いますが、実はお金だけはあったんです。残してもらったお金を元に自分勝手に事業を始めて、いつの間にかなくなってしまったのですが。
今、53年の人生の中で一番お金がない状況で、生まれて初めて借金もしました。どこの業種の方も、大体どこかで働いていた経験があって独立するものですが、私たちは実績がまったくないところから独立ありきで始めているので、仕事を始められるまでに丸一年ほどかかりました。一つひとつが大変で、それでもビジネスパートナーと「これは誰もやっていないよね」「乗り越えたら、また誰にもできないことをやっていける」と励まし合いながら続けています。悲しいことや辛いこともたくさんありますが、失敗がないことが逆に怖いとも思っていて、今はウキウキもするし、現実的には一番辛い時期かもしれません。


Q企業としての最終的な目標を教えてください。

私たちがモデルケースとして成功し、女性社長をたくさん作りながら、近畿一円にフランチャイズを広げていくことが目標です。そうやって集めた汚泥を、もっとたくさんリサイクルできる仕組みにしていきたいと思っています。汚泥は結局は油なので、とてもよく燃えるんです。かつて最初にこの仕事を教えてくれた九州の方も「これは温泉施設に使える」と話していて、いつか温水プールや温泉施設をされている社長さんと出会い、燃料としてリサイクルできたらと考えています。処分まで自分たちで完結できる仕組みができれば、それは大きな成功だと思っています。


Q今後個人としてチャレンジしたいことを教えてください。

私自身の夢は、実はホテル暮らしをすることです。ずっと昔からの憧れで、どこにいるか分からないような自由な生活をしてみたいという思いがあります。それと同時に、会社としては従業員を雇い、みんなが同じ方向を向ける会社を作り、自社ビルを建てたいと思っています。これまでは個人事業として自宅で一番お金がかからない形でやってきましたが、そうではなく、きちんとビルを建てて人に来てもらい、お給料を払う。お金を人に与えられる存在になることが、私の最大の目標です。社員旅行にちゃんと行けるように、頑張った分がきちんと給料に反映されるように、売上も開示しながらみんなで分け合えるような、お金にクリーンな会社にしていきたいです。


Q今後、知り合いたい事業内容や会社様について教えてください。

一番は大手チェーン店の本部さんです。ボーナス的な意味合いも含めて、そうした先と契約できることは会社としての信頼にもつながると思っています。また、ビルメンテナンス業の方や賃貸不動産の管理をされている方とも力になれると思っています。鍵の故障や配管の詰まりといった連絡が管理会社に多く寄せられる中、私たちが年間契約で入ることで、その一つを解消できるからです。マニフェストの提出を求められて対応できずに断られてしまう清掃業者さんも多いので、「マニフェストと言えば私たち」と思い出してもらえるような存在になりたいです。
害虫駆除の業者さんとの連携も可能性を感じています。グリストラップの周りに殺虫剤をかけるだけで済ませてしまう業者さんもいらっしゃいますが、私たちが年間契約でお客様に近い立場にいるからこそ、困りごとを聞いて紹介し合えるような関係を築けると思っています。加えて、学校や幼稚園、保育園なども対象になりますし、これまでのゴミ業界の古い慣習に疑問を持っている、若い世代の経営者の方とも一緒に何かできたらと思っています。


PICK UP

ピックアップ

すべてに本気で向き合う
株式会社S&Kエージェント

代表取締役 片岡 義仁

個性を活かして、より強い企業へ
株式会社ZY

代表取締役 岸下 大樹

笑顔に導くM&Aを届けたい
大和経営

代表取締役 灘井 新嗣