まちと人に恩返しする
居住支援・社会貢献事業

Q事業内容と強みを教えてください。
一般社団法人住美墨(すみすみ)の代表理事を務めております。母体・関連会社として株式会社めりーほーむがあり、こちらで空き家再生や不動産全般の実務を手がけています。めりーほーむは正社員3名のほか、主婦の方や副業で関わってくださる業務委託スタッフで運営しており、空き家再生、リフォーム、宅建業者としての仲介業務、大家さん向けのコンサルティングなど多角的に展開しています。本業であるめりーほーむが収益基盤を強固に支えているからこそ、住美墨では利益追及に囚われず、社会課題解決や社会貢献活動に100%専念できる体制を構築できています。
私たちの最大の強みは、一般的な行政の補助金頼みのモデルとは一線を画し、「補助金に頼らない持続可能な空き家再生ビジネスモデル」を確立している点です。
具体的には、補助金を前提とせず自力で空き家を安価に取得し、水廻りを中心に適切なリフォームを施します。そして、生活保護受給者、シングルマザー、高齢者など、一般的な賃貸市場で住宅確保が難しい方々へ適正価格で貸し出し、確実な収益を確保します。さらにその後、相場より手頃で魅力的な収益不動産として市場へ再販します。
社会的困窮者の居住支援(社会貢献)を行いながら、事業としてもしっかりと利益を出し、雇用を生み出せる——この「三方よし」を越えた循環型の仕組みこそが、他社には真似できない大きな強みです。
なお、住美墨の事務所はあえて大阪市北区の高級タワーマンションに構えています。めりーほーむの本社は兵庫県川西市にありますが、所有・管理物件は大阪市内にとどまらず、名古屋、岐阜、福井、東京など全国広範囲に及びます。地域限定の財団という印象にならず、大阪の第一線に拠点を置く一般社団法人とすることで、社会的説得力や知名度の波及効果を高める狙いがあります。
Q起業に至るまでの経緯を教えてください。
キャリアのスタートは東建コーポレーションの社長室員で、その後、学校法人大原学園にて理事秘書を務めました。サラリーマンとして働く中で副業解禁の流れを感じ取り、自身の情熱に従って副業として不動産投資を開始しました。徐々に規模を拡大し、家賃収入が本業の給料を超えたタイミングで独立を果たしました。
不動産に魅せられた原点は、幼少期に受けた衝撃と憧れです。街で見上げた立ち並ぶビル群や、展望台から見下ろした巨大な建築物(当時建設中だったATC)の雄姿に心を奪われました。「いつか自分もこんな素晴らしい不動産を持ちたい」という幼い日の憧れが芽となり、資金も知識もなかったサラリーマン時代からコツコツと物件を買い進める原動力となりました。
実は大学生の頃から住宅展示場や「賃貸住宅フェア」に足繁く通うほどの「不動産好き」でした。大学4年時から独学で宅建(宅地建物取引士)の勉強を始め、社会人1年目で無事に合格。そして社会人1年目にして、名古屋の区分マンションを競売入札で何度もチャレンジした末にようやく初購入できたのが、私の不動産投資家としての第一歩でした。
Q企業理念について教えてください。
めりーほーむにおける商いの根幹は、「買主様が心から欲しいと思え、売主様が心から納得できる取引だけを行う」ことです。そして「また、この会社で取引したい」とリピートしていただける誠実な姿勢を徹底しています。信用・信頼を失うことが何より嫌だからこそ、売り手・買い手・世間の「三方」すべてが幸福にならない取引には一切関わりません。
一方、住美墨の活動の背景には、私自身のバックグラウンドがあります。私は京都教育大学で美術(書道専攻)を学んできた経緯があり、日本では欧米に比べて社会的評価や経済的還元がされにくい「芸術・書道」の現状に強い課題意識を持っていました。アーティストや書道家の地位を高め、持続的に活動できる環境を作りたいという熱い思いがあります。
具体的には、スポーツ分野(元FCソニオのトップスポンサーや今年から川西モルックの会など)への支援に加え、兵庫県川西市の小戸神社で開催される書道展の協賛者となり、「川西市長賞」と並ぶ賞を自ら創設・寄贈しました。賞金や活動費を経済的に支援することで、書道家や子どもたちが誇りを持って表現を続けられる価値創生を目指しています。
Q仕事を行う上で大切にしていることを教えてください。
実は私は、不動産を売却して会社に利益を入れる瞬間よりも、新しい物件を取得した時の方がはるかに大きな喜びを感じます。自分の中では完全に「不動産コレクター・不動産オタク」の感覚なのです。売却時は通帳の数字すらあまり気にしないほど無頓着で、むしろ手放す寂しさを感じるくらいですが、新しい物件を手に入れた時は「大切な家族やコレクションが増えた」と100倍の情熱と愛着が湧いてきます。
これまでも、元ホテルを仕入れて賃貸物件へ転用したり、元ダンロップの社宅(大型団地)、軍艦のように圧倒的な存在感を誇る1棟収益物件から、限界集落のような古民家まで、あらゆる不動産を自らの手で再生・プロデュースしてきました。単なる規模の拡大だけでなく、新築マンションの開発、元教会の賃貸転用、さらには自宅兼賃貸の併用住宅を新築してローン負担ゼロで生活する仕組みなど、不動産に新しい付加価値(ストーリー)を吹き込むチャレンジを重ねることを、何より大切にしています。
Q今までで一番辛かったことを教えてください。
「不動産が好きで好きでたまらず、大学生の頃からずっと物件が欲しかったのに、お金がなくて買えない期間が長く続いたこと」——これが私の人生で一番辛かった時期です。欲しい物件があっても手が出せないもどかしさの中で、「いつか買えるようになった日のために、今できる準備をしておこう」と、愚直に宅建の勉強に打ち込んでいたのが当時の自分でした。
Q企業としての最終的な目標を教えてください。
現在の事業規模は、家賃収入約2億円、純資産約2億円、所有総戸数約320戸に達しています。まずはこれを「家賃収入5億円、純資産5億円」の規模まで確実に拡大させたいと考えています。
その規模を達成し、自分自身の不動産所有欲がある程度満たされた先では、利益度外視のチャレンジをしたいと思っています。例えば、美術館やお城、あるいは無人島の再生など、不動産オタクとしての極み・ロマンと言えるような唯一無二のコレクションと地域再生に挑戦するのが最終的な夢です。
Q今後個人としてチャレンジしたいことを教えてください。
事業や資産規模を拡大したとしても、個人として享受できる生活水準はある一定のラインで大きく変わらなくなると実感しています。だからこそ、得られた余力や知見を自分のためだけに使うのではなく、一般社団法人住美墨という社会貢献のプラットフォームを通じて社会へ還元していきたいと考えています。
柱は大きく2つあります。
・セーフティネットとしての居住支援
DV被害に遭われた方、生活保護を受給されている方、外国人、高齢者の方々など、住まい探しに苦慮する「住宅弱者」の駆け込み寺となるべく、自社ビル内には電気・水道・ベッドを完備した緊急避難用の部屋を常時確保しています。
・文化・芸術(書道)の価値向上と経済的自立支援
展覧会の運営支援や備品・道具の寄付にとどまらず、プロスポーツの世界のように「賞金やスポンサーがつく仕組み」を文化・芸術分野にも定着させたいと考えています。芸術家が正当に評価され、食べていける社会構造を作る——私個人の夢と信念を、住美墨という器を通じて一つひとつカタチにしていきます。
Q今後知り合いたい事業内容や会社様を教えてください。
空き家再生や社会課題解決に本気で取り組まれている企業様はもちろんのこと、規模の大小にかかわらず「これから空き家再生を通じて地域に貢献したい、一緒に歩んでいきたい」という志を持ったこれからの大家さん・投資家様とも、ぜひ温かいネットワークを広げていきたいと思っています。

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