株式会社yellba

エースオブカンパニー

株式会社yellba

ホンネを「言える場」が、
組織を強くする
代表取締役西川 和範
株式会社yellba
人事支援
組織改善

事業内容と事業の強みを教えてください。

弊社は、民間企業をはじめとしたあらゆる組織のエンゲージメント向上や社員の離職防止を切り口に、人事支援を行っている会社です。
その中で自社開発のサービスもいくつか保有しています。一つは、社員の方にアンケートを答えていただき、会社の課題を可視化する「組織診断サーベイ」です。
もう一つ、メインの事業として「yellba(いえるば)」という組織改善プラットフォームがあります。これは社員の本音を活用し、社員全員でより良い組織を作っていくためのSaaSプロダクトです。
これらのプロダクトを活用して企業様の人事課題を抽出・特定し、その解決までを一気通貫で伴走支援させていただいています。


起業までの経緯を教えてください。

元々は理系の大学院出身で、企業の研究職を目指して就職活動をしていました。しかし、途中で自分には向いていないと感じ、一度就活をやめてしまったんです。その後、海外をバックパッカーとして放浪しましたが、結局やりたいことは見つからずに帰国しました。
2回目の就活でベンチャー企業の社長の話をたくさん聞きに行き、その中でいつか自分もビジネスをやりたいなと漠然と思うようになったのが最初のきっかけです。
その後、新卒で入社した会社で、管理職として人や組織に関わる問題に直面することがありました。そこを解決するサービスを自分で立ち上げたいという思いが強くなり、起業に至りました。
ちなみに、サービス開発のエンジニアは社内におらず、外注しています。私がこれまでの仕事で新規事業開発や人事系システムの開発・運用をビジネスサイド側からやっていた経験があり、システムの要件定義は自分たちで行いました。また、メンバーにデザイナーがいるため、ページデザインを内製し、コーディングだけを外注するという形で進めています。


企業理念の決め手を教えてください。

やはり、管理職時代に感じていた思いがきっかけになっています。
私が新卒で入社した会社は人材系のベンチャー企業で、入社当時50名程度だった社員が8年後には500名規模へと急成長しました。その過程で管理職も経験しましたが、何度か組織崩壊のタイミングも目の当たりにしました。
会社自体はビジョナリーで素晴らしい会社でしたし、入社してくる仲間も社会貢献性に共感した良いメンバーばかりでした。しかし、会社が大きくなるにつれて経営と現場の距離が徐々に広がり、現場が疲弊してしまう状況があったのです。
働く人たちが、みんな自分の能力を発揮し、自律的に生き生きと働けるような世の中を作りたい。その思いが根底にあります。


仕事を行う上で大切にしている事を教えてください。

一番大事にしているのは、「世の中を本当により良くすることにつながっているのかどうか」という点です。倫理感とも言えるかもしれません。
世の中には多様なビジネスがありますが、そのサービスを提供した先のお客様が本当に幸せになれるのか、社会が本当の意味で良くなっているのか、という点は常に考えています。
あくまでも私の主観ですが、例えば、スマホゲームのガチャで多額の課金を促すビジネスは、見方によってはユーザーにエンタメを提供しているとも言えるし、売上は上がる。しかし、ユーザー自身の人生が本当に豊かになっているかは疑問に感じます。私は、真の意味で人間が幸せになるため、より良くなるためのサービスを提供し続けたいと思っています。


現在の企業課題/事業課題について教えてください。

メインサービスである組織改善プラットフォーム「yellba」の普及が課題です。
これは「オープンな目安箱」のようなもので、社員が匿名で会社への本音を投稿し、他の社員が「いいね」で共感を示すことで、提案された意見に対して社内の共感度や支持率を可視化する仕組みです。しかし、この「社員の声と正面から向き合う」という取り組み自体が、経営者にとって心理的なハードルが高いのが現実です。
10人経営者がいれば7〜8人は「怖い」「手間がかかる」「臭いものに蓋をしたい」と考えがちです。我々としては、社員の声と向き合うことが組織にとって良いことである、という考え方を啓蒙的に広めていく必要があります。
特に、最近は口コミサイトの影響も大きく、在籍中に本音を言えなかった社員が退職後にネガティブな書き込みをし、採用に悪影響を与えるケースも増えています。そうなる前に、社内で声を吸い上げて改善するサイクルを回すことがこれからの企業の成長において非常に重要だと伝えています。


企業としての最終的な目標を教えてください。

具体的な数字はまだ定められていませんが、端的に言うと「世の中に健全な組織を増やす」ことです。
働き方が多様化しても、世の中のほとんどの人は組織に所属して働いています。その組織自体が健全な状態でなければ、そこで働く人が幸せな働き方をすることはできません。
私たちが考える健全な状態とは、会社と社員が信頼関係をベースに誠実に向き合い、両者の発展のためにお互いが努力し進んでいける状態です。そういった組織を、日本中に、そして世界中に増やしていきたいです。


今後個人としてチャレンジしたい事を教えてください。

仕事とプライベートはかなり近いですが、やはり「健全な組織を世の中に増やす」ことは私のライフワークです。
それを、家族などの身近な人の幸せを犠牲にしない形で実現することが一つ。そして、結果として、自分たちの子供や孫の世代が、未来に対して希望を持てるような社会を作って残していきたい。それが私個人としてやりたいことです。