光を当てる
独立支援コミュニティ運営

Q事業内容と強みを教えてください。
事業内容は大きく三つあります。中心になっているのは企業さんや大学さんの動画制作です。研究室の集客動画やブランディング動画など、依頼をいただいたところに対して動画を作らせていただいています。もう一つはカナダ・トロントの事業で、現地情報を伝えるメディアの運営やイベント企画です。そしてもう一つが「独立挑戦部」という名前で運営しているコミュニティで、独立したい学生や、独立して1、2年目くらいの方に向けたものです。
動画制作で一番最初に喜ばれた経験は、研究室の教授や大学のオープンキャンパス向けに動画を一本作ったことでした。それがきっかけで、動画を求めている企業や団体のために何かできることをしようという今の形につながっています。独立挑戦部では、1年後と3ヶ月後の目標を定量で決めて、毎日Discordに日報を提出する「日報部屋」と、記事やYouTube動画など重要度の高い実績を一つずつ積み上げていく「積み上げ部屋」の二つを運営しています。一人では続かないことを、みんなでルール化することで続けられるようにしているのが強みだと思っています。
Q起業に至るまでの経緯を教えてください。
2019年に岡山大学に入学し、最初は研究者になろうと理学部物理学科に入りました。2年生くらいで違うかもしれないと思い始め、3年生では大企業よりもベンチャー企業で営業をした方が稼げるしスキルがつくと思って就職活動をしましたが、なかなかうまくいかず、一度休学することにしました。
休学して人生初の海外、カナダへ留学しました。最初の半年は日本国内を旅していて、3日に1回引っ越しながら旅を続けていました。その経験から、もっと旅をしたいという気持ちが強くなり、就職するよりも起業した方が自由に旅ができるのではないかというふわふわした気持ちで日本に帰ってきました。
大学4年生のときに、岡山大学起業部という起業を支援する部活があることを知り、入部しました。元部長の方にずっとついてもらいながら起業のやり方を教えてもらい、好きだった動画を研究室や大学向けに作る中で案件が少しずつ入るようになり、就職せずに起業してみようと独立しました。
Q企業理念について教えてください。
今、理念として一番近いと思っているのは「埋もれている魅力に光を当てる」という言葉です。もともと、世界を変えるとか社会貢献をしたいという大きな思いは正直ありませんでした。自分が何を大切にしているのか考えたときに見えてきた共通点が、これだったんです。
企業の採用動画は、新しい認知を取るためというよりも、比較検討してもらうための動画です。「このジムの代表はもっと映像にしたら映えるのに、写真だと全然伝わっていない」というような、すでにある価値がちゃんと見えるようにしてあげることを、ずっとやってきました。カナダトロントの事業も、ネットにはあまり出てこない、現地にいる良いイベントや人を紹介する仕事でした。逆に、人を特定の場所に流し込むような人材紹介の仕事は、ずっと断ってきました。選択肢を狭める仕事がどうしても苦手だからです。
本当に良いものは、バズではなく口コミで広がっていくものだと思っています。見てねと本当に言えるもの以外は紹介しないし、出さない。これまで受けてきた仕事を全部振り返って見えてきたのが、この理念です。
Q仕事を行う上で大切にしていることを教えてください。
向いていないことは絶対にしないというのを大切にしています。頑張っている時点で、それは向いていないことだと思っているので、自分が向いていないと感じたら、向いていて夢中になれる人を探してきます。企業のPR動画でカメラマンが必要なら、カメラマンの友人を連れてくる。そういうプロの方々と一緒に仕事をするスタイルです。
好きなことであれば自然と学んでいくはずなので、頑張ってしんどいのにやらなければいけない、という状態になっているなら、それはやらなくていいと伝えています。その代わりに、その人の得意なところを見つけて任せるようにしています。進行管理がうまくいかないと気持ち悪いと感じる人が担当者になるべきだと思っていて、そういう適材適所をどれだけしっかり作れるかを、今一番意識しています。
Q今までで一番辛かったことを教えてください。
一番辛かったのはお金のことです。独立した1年目、とにかく借金が続きました。売上が立てば生きていけると考えていたのですが、動画は納品した翌月払いがほとんどで、それまでの生活費をどうするかという問題に直面しました。消費者金融から借りて、利息の重さにしんどい思いをしながら過ごした1年間でした。
親に借りるという選択肢もありましたが、それは甘えになると思って一切しませんでした。前提として親を頼れると分かっていたら、強くなれない、成長できないと感じていたからです。銀行融資も一度落ちて、一年ほど経ってからようやく借りられるようになりました。着手金をいただくようにしたり、事業計画書を作って先の見通しを立てるようにしたりと、少しずつ対策を重ねて、2期目でようやく消費者金融をすべて返済できました。
Q現在の企業課題/事業課題について教えてください。
事業としての課題は、決まった商品を持っていないことだと感じています。今はすべて受注生産というか、お客様に合わせて毎回違う商品を作っている状態です。紹介でいただく仕事が多いこともあって、自分たちの見られ方、つまり自社のブランディングができていないという課題があります。ホームページを最新の状態にすること、メニュー表を作ること、ミッションやビジョンを言葉にすることなど、日々の業務に追われて、実績の発信やポートフォリオの更新ができていないと感じています。
Q企業としての最終的な目標を教えてください。
会社として、なくならない企業になりたいと思っています。売却などはまったく考えていなくて、ずっと続いていく会社にしたいです。それと同じくらい大切にしたいのが、関わってくれた人の中で「一番仕事がしやすかった」と言ってもらえることです。世界一である必要はなくて、その人の中で一番になれたらいいと思っています。そうやって信頼し続けてもらえることが、私にとって一番嬉しいことです。
Q今後個人としてチャレンジしたいことを教えてください。
個人としては、YouTubeやSNSでもう少しアート的な、再現性のないことに挑戦したいと思っています。これまで18個ほどYouTubeチャンネルを作ってきましたが、その中でもVlogや作曲、たった一人の友人を笑わせるためだけのチャンネルなど、伸びにくいと分かっていてもやりたいことがあります。自分自身にファンがついて、あの人がやっているなら見てみようかな、と思ってもらえる状態を作りたいです。会社として大きくするには再現性を担保する必要がありますが、個人としては、そういう再現性のない表現にも挑戦し続けたいと思っています。
Q今後知り合いたい事業内容や会社様を教えてください。
海外にいながら日本の会社を経営している方や、海外で活動されている日本人のフリーランス、ノマドワーカーの方に、本能的にワクワクします。自分自身もいずれ海外にいながらビジネスをしたいという思いがあるので、そういう生き方をされている方のお話を、もっと聞いてみたいです。

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